無事に保育園の入園が決まり、仕事復帰を果たした!
と思いきや、
さっそく「保育園の洗礼」で仕事を休んでいる方も多いのではないでしょうか?

保育園の洗礼

保育園に通いはじめた子どもが、次々と風邪や感染症などの病気にかかる状況のこと。

まだ免疫力が高くはない0歳児や1歳児クラスの子どもたちを中心に、体調を崩しがちなこの時期。

ただでさえ保育園での集団生活に慣れていない初期の頃は、疲れやストレスが溜まりやすくウィルスや細菌に感染するリスクがグッと上がります。

というわけで今回は、子どもを保育園に預けて働く中で親が抱えがちな「3つのジレンマ」をご紹介!

すでに保育園デビューを果たした方はもちろん、これから保育園を探し始める方も、「保育園の洗礼」を含めたこの時期特有のジレンマに負けることの無いように。

むしろこの時期特有のジレンマを起点に、より良い夫婦の協力体制づくり向けた話し合いのキッカケにしていただけたら幸いです。

 

①「保育園の洗礼」というジレンマ

保育園は仕事復帰の強い味方!
でも、子どもが保育園での集団生活を通して感染症に罹る「保育園の洗礼」はジレンマですよね。

何より、「鼻水、咳、発熱、嘔吐、下痢」などで苦しむ我が子の様子に不安が募るパパやママも多いはず。

一体いつになれば、子どもは元気に保育園に通えるようになるのか?
そして親の自分たちも、いつになれば仕事に集中できるようになるのか?

個人差はありますが、ここで甘い見通しを持つよりも、「最初の1年を通して保育園の洗礼を受ける」と思っておいた方が新生活への覚悟が決まるかもしれません。

それというのも、4月〜6月の春先は免疫の低さから感染症に罹り易く、夏場の7月〜8月も水遊びやプールを介して季節性の感染症に罹るリスクが上昇。
寒くなり始める10月以降は咳や鼻水が出るお子さんが増え、11月以降はインフルエンザが流行りはじめ、3月くらいまで何らかの感染症が蔓延し続ける・・・というのが保育園のリアルだから。

以下は一例ですが、

​・溶連菌
・手足口病
・ヘルパンギーナ

・おたふく風邪
・みずぼうそう(水痘)
・ノロウィルス
​・インフルエンザウィルス
・ヒトメタニューモウィルス
・RSウイルス感染症
・アデノウイルス感染症
・マイコプラズマ感染症
・プール熱(咽頭結膜熱)
・感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)

など、実際に最初の1年間でさまざまな感染症を経験するお子さんは少なくありません。

ちなみにここに挙げた細菌・ウィルスは、想像以上に厄介なものばかり(涙)

例えばインフルエンザやアデノウィルスなどの一部の感染症は「休まなければならない日数」が定められており、子どもの熱が37.5℃以下に下熱しても翌日からすぐに登園OKとはなりません。

また、予防のための「ワクチン」や罹患後の「特効薬」が開発されていない感染症もあり、対処療法で回復を待つしかないことも。場合によっては、1〜2週間単位で看病生活を続ける月も出てくることでしょう。

こんな調子で看病生活が長引けば、子どもの病気が「親にうつる」リスクも高まるもの。手足口病やヘルパンギーナなど、子どもよりも大人の方が重症化しやすい感染症もあるため、本当に気をつけたいところです。


では一体どうすれば?
 

▷ワンポイントアドバイス

夫婦で「感染対策」や「感染時の行動」を話し合ってみよう!

細菌・ウィルスと隣り合わせな中「保育園の洗礼」は不可避かもしれませんが、できることが何も無いわけではありません。

例えば、「感染対策」や「感染時の行動」を夫婦で話し合っておけると安心!

●「感染対策」の例

・日常的な「うがい・手洗い・消毒」による感染対策を行う。
(子どもの「うがい」は月年齢的に無理でも、手洗い・消毒だけは帰宅時にサポートする)

・感染症が蔓延している時期の保育園の送迎は「マスク」を着用する。

・感染症が蔓延している時期は、できるだけ在宅ワークに切り替える。
 

●「感染時の行動」の例

・発熱や咳など、症状が出ている間は寝室を分ける。

・吐瀉物(嘔吐・下痢)は直接触らず、ゴム手袋を着用して処理。更に次亜塩素酸水で消毒する。

・親が共倒れにならないよう、病児保育やシッターなどの外部サービスの活用も検討する。

・外部サービスの活用が長引く(なかなか治らない)時は、子どもの安心感を優先して仕事を一旦しっかり休んで親が看病に当たる。

・祖父母に協力を仰ぐのは最終手段にする。(高齢者への感染は命に関わることがあるため)

など、夫婦で情報を調べたりアイディアを出したりしながら意見交換を進めていくつかルールを決めておけば、いざという時に足並みが揃います。

特に「感染時の行動」のシュミレーションはおすすめです。

いち早く健康を取り戻すためには、初動の段階から夫婦が協力して行動できる状態にしておくことが肝心。
目の前で感染症に苦しむわが子がいる中、細かな考え方・やり方の違いで衝突したり、夫婦のどちらか一方に負担が偏ってストレスや不満を爆発させたりすることの無いように。できるだけ事前の話し合いで、お互いの行動をすり合わせておけると良いでしょう。


子どもも大人も健康リスクや仕事への影響を最小限に抑えながら、保育園生活を楽しんでいけますように!

お子さんが、保育園での新生活を通して少しずつ免疫を獲得しながら逞しく成長していくのと同じように、パパとママも、子どもの成長に負けないくらい夫婦の協力体制をレベルアップできるよう願っています!

②仕事も家事も子育ても「中途半端」に感じるジレンマ

出産前に比べて、思い切り仕事ができない!
子どもにも、十分に接することができない!
家事も、思うように進められない!

・・・今、こんな風に感じていませんか?

実は、子どもを保育園に預け始めると「できていないこと」に目が行きがち。
何もかも「中途半端」になってしまったと感じる
人は少なくありません。

特に保育園に預け始めて最初の1〜2ヶ月が山場です。

園の方針や、月齢・年齢などにもよりますが、短くて3日、長くて2週間ほどの「慣らし保育」の期間を経て通常保育がスタート。
段階的に保育時間を延ばしていくとはいえ、わが子がスムーズに保育園での生活に馴染める保証は無く、朝夕に愚図ることが増えたり夜泣きが激しくなるなど、お子さんよっては落ち着かない様子が見られるようになることもあります。中には、保育園の洗礼を受けて感染症に罹り、高熱を出す子もいるでしょう。

そうなってくると、親は慢性的な睡眠不足と戦いながら仕事に取り組むことになったり、保育園からの急な呼び出し対応で仕事を切り上げることが増えたり…。時には看病で数日にわたって仕事を休むことになるなど、思うように働けない状況に焦りや苛立ちを覚えがちです。

また、掃除や洗濯などの日常的な家事が行き届かず、散らかった部屋での生活に強いストレスを感じるようになる人もいるかもしれませんね。


では一体どうすれば?
 

▷ワンポイントアドバイス

夫婦で保育園デビュー後の「モヤモヤ」を共有。一緒にネクストステップを話し合おう!

まるで綱渡りのような日々の中、仕事も家事も子育ても思い通りに進めていける人の方が珍しい保育園デビュー。
しかし、こんな時ほど決して一人で悩まずに夫婦で力を合わせて乗り越えたいタイミング!

一人で悩み続けて勝手に解決策まで考えるような状態がデフォルトになると、その後の夫婦の協力体制に歪みが生じます。

どちらか一方でも「中途半端な日々に悩んでいる」「うまく言葉にできないけどツライ」「イライラ・モヤモヤが溜まっている」などの状況を自覚した時点で(あるいは相手にそうした様子が見られた時点で)、思い切ってネガティブな感情を共有し、一緒にネクストステップ(解決策や状況改善に向けた次の行動)を話し合う時間をつくれると安心です。

ちなみに話し始めの段階から「ネクストステップ」に言及するのはあまりおすすめできません。

もし、ご自身の中で

・時短メニューの活用
・食洗機などの時短家電の導入
・家事代行サービスの利用
・朝は家事をせずに出かける
・保育園のお迎えの役割を交代制にする

などの解決策や状況改善に向けた次の行動がすでに思い浮かんでいたとしても、こうした「How to」は、お互いの気持ちを共有した後にアイディアとして出してください。

特に、ネガティブな感情が増幅している時には「How to」から入ると喧嘩腰になって失敗します。

照明や音楽、お茶やお菓子などを用意して、できるだけお互いにリラックスできる環境を整えて、まずネガティブな感情を含めたお互いの本音を受け止め合える状況を作ってみてください。

その上で、

・保育園に通い始めて感じる「Good/Bad」は?

・Badポイントの中で最も改善したいことは?

・そもそもいつからそんな風に感じはじめた?

・他に気がかりはない?

と、問題の本質に向き合う問いを共有。

ネガティブ情報に相当する「Bad(不満・問題に感じていること)」だけにとらわれず、ポジティブな「Good(満足・納得できていること)」にも思考を巡らせることでヒートアップを防ぐことができ、問題の本質を冷静に掘り下げていく「気持ちのゆとり」が生まれます。

そうして一通りお互いの気持ちを共有し合えたところで、

・そもそもどんな働き方・暮らし方が理想?

・その理想は、自分はもちろん子どもや夫婦・家族の幸せに繋がる?

などと、夫婦で一緒に理想を実現していくための「対話」の段階にステップアップすることが重要です。

最初からアレもコレも上手くいく事の方が珍しいと考え、自分たち夫婦・家族のペースで理想と現実のギャップを埋めていくための対話を重ねていくこと。

お互いに前向きに変化していこうとする気持ちを確認し合い、一緒に次の行動を決めていける関係を築いていくことは、先の長い子育てライフを夫婦で楽しく乗り越えていく際の基盤になってくれます。

ちなみに「中途半端」という状態は、見方を変えれば「現在進行形」の状態です。

思い通りにいかないことがあっても、芋づる式に「できていないこと」に目を向けるのではなく、「できるようになったこと」「良くなったこと」を探してみてください。

焦らずに一歩ずつ。夫婦で前向きな未来に向けて歩みを進めている途中にあることを、ときおり話し合って確認し合えたら良いですね!その積み重ねの中で、中途半端感も薄らいでいくはずです。

③子どもに対する「罪悪感」が拭えないジレンマ

登園の度に大泣き。
お迎え後は、寝るまですがり付いてべったり。

いざ保育園通いがスタートする中、いつにも増して甘えてくるわが子を前に、心配したり申し訳なく思ったり。気がつけばお迎えの度に「ごめんね」と呟いている…そんな経験談も珍しくありません。

・寂しい思いをさせているのではないか

・母親として無責任なことをしているのではないか

など、実際にこの時期は母親」を中心にこうした感情にさいなまれる人が少なくないように思います。

その一方で、子どもの発熱で保育園から呼び出しがあったり登園NGな病状が続いたりすると、仕事を休まなくてはならずイライラ。でも結局は、そんな気持ちになる自分が許せず「罪悪感」を募らせ、何かにつけて自分を責めてしまうこともあるようです。

また、母親が働くことに関して応援の眼差しがある一方で、

・3歳まではお母さんが育てる方が子どもの育ちに良い。

・小さいうちから保育園通いなんて子どもがかわいそう。

などの無配慮な言葉に触れ、傷つく人がいるのもこの時期の特徴。

発言の背景には「母性神話」や「三歳児神話」「自身の子育て経験」などがあるようですが、何気ない周囲の一言がキッカケで罪悪感が増し、心身を病んでしまうこともあります。

・母性神話:子どもを産めば、自動的に母性がわいてくるはずという考え

・三歳児神話:子どもが3歳までは母親が自分で育てないと情緒不安定になるという考え

※どちらも科学的根拠が証明されていない点で「神話」とされる。


中でも、味方でいてほしい自分の親やパートナーの親から保育園に預けて働く選択を否定された際のダメージは凄まじく、その後の祖父母との関係を悪化させる一因になることも。

 

では一体どうすれば?

 

▷ワンポイントアドバイス

夫婦で保育園デビュー後の「良かったこと」を共有。お互いのこれまでの頑張りについても、たくさん話し合って讃え合おう!

初めの頃は、保育園を活用しながらの共働き生活に不慣れな分、ちょっとした子どもの変化や周囲からの言葉に敏感になりがちです。

しかしその度に「申し訳ない」「かわいそう」などの罪悪感を膨らませていては、子どもにかえって不安を与えることにも繋がりかねません。

だからこそ、自分やパートナーが子どもに対して罪悪感を抱えている状況に気がついたら、その気持ちを無視することなく一度は拾ってあげてほしいのです。

・わが子が通う保育園は、そんなに劣悪な環境なのか?

・保育園に通うことで得られることもあるのではないか?

そんな問いを夫婦の間で共有しながら、「良い面」に目を向けていく。
協力して気持ちを切り替えていくことも、夫婦になったふたりだからこそ出来る支え合いです。

こうした気持ちに寄り添うコミュニケーションを積み重ねる中で「保育園の力を上手に借りながら子育てをしていく」という夫婦の選択にも自信を持てるようになっていきます。

不要な罪悪感をぬぐい去り、わが子の成長を一緒に見守ってくれる人たちとの出逢いを、親である自分たち自身がまずは楽しめるようになれたら良いですね。

保育園の先生や小さなお友達、他のパパやママたちと明るく挨拶や会話を交わす両親の姿を間近に見ながら、お子さんもまた、家族以外の人との関わり方を学び、力強く自分の世界を広げていってくれるようになりますよ!

きっと、大丈夫です!

前向きに変化し続けられる夫婦・家族であるために

変化するのは当たり前。
でも、その変化を前向きなものに変えていけるように。

わが子を保育園に預けるようになってからの日々にジレンマは付きものですが、その都度「わたしたちにとって最適な働き方・暮らし方・育て方」を話し合いながら、新しい夫婦の協力体制を育んでいけたら良いですね!

お子さんの成長に関わってくれる周囲の人たちと共に、仕事に家事に育児に奮闘するパパ・ママが笑顔で過ごせるように。

そして、卒園の時に「素敵な保育園ライフを過ごせたね!一緒に頑張ったね!」と夫婦で振り返ることができる日が来ることを、心から願っています!

『夫婦会議®︎』を始めてみませんか?

『夫婦会議®︎』とは、
人生を共に創ると決めたパートナーと、
より良い未来に向けて「対話」を重ね、
行動を決める場のことです。

 

自分ひとりの意見を通すため、相手を変えるために行うものではなく、「わたしたち」で答えを創るためのもの。

特に育児期においては、わが子にとって、夫婦・家族にとって「より良い家庭環境」を創り出していくことを目的に行います。 

家庭は社会の最小単位であり、子どもたちが最初に触れる社会そのもの。『夫婦会議®︎』は、ちょっとしたことから大切なことまで、前向きな気持ちで「対話」できる家庭環境づくりを応援します。

※『夫婦会議®︎』は、Logista株式会社の登録商標であり、日本初の「夫婦の対話」メソッドです。模倣サービスにご注意ください。
※『夫婦会議®︎』のツール・サービスは、“対話”によるコミュニケーションを重視しており、他に「キャリアデザイン/子どもの発達・成長/産後ケア/周囲との結びつき」などの観点を用途に応じて織り交ぜ開発しています。