平成27年8月22日(日)…末広がり(8)な夫婦(22)の日に、Logista株式会社初となるイベント「赤ちゃんが教えてくれた家族の生き方 〜子育て期の働き方と暮らし方を考える3時間〜」を福岡市電気ビル共創館で開催しました。

70名の大人と26名の0歳〜6歳児、ゲスト・スタッフ・ご後援先関係者を含めて総勢113名の「当事者」の皆様と共に考え、共に学び合う賑やかな場となり、あっという間に終了した今回のイベント。子育て真っ只中のパパ・ママ。プレママ(妊娠中)・プレパパの方。夫婦の将来を考えて参加された方。子育てが一段落された方。身内(娘さんや妹さん)のことを思って参加された方。新婚の方。独身の方。企業経営者の方。人事関係のお仕事をされている方。地域行政の方。子どもの有無に関わらず、いろいろな方が「当事者」として「赤ちゃんにやさしい国」に向けた想いを語り、知恵を出し合った3時間でした。皆様お疲れさまでした。そして本当にありがとうございました。

企画内容・運営に当たっては至らぬ点もあったかと思いますが、魅力的なゲストの皆様、あたたかな気持ちで見守ってくださったご後援先様、ボランティアで力を貸してくれた心強いスタッフの皆さんに加え、「なんとかしたい」という当事者意識でお集まりいただいた参加者の皆様の想いが、このイベントを形にしてくれたと感じています。今後も、同様の趣旨のイベントを定期開催しつつ、アンケートで頂いたお声を参考にした場づくりを試みて参ります。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

Session1 ゲストトーク/赤ちゃんにきびしい国は変えられる

「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。」の著者・境 治氏による基調講演。高度成長期を支えた日本社会の古いルールとシステムの話から、「子育て村」という発想に至るまで。ブログメディア・ハフィントンポストで記録した驚異の「17万いいね!」の秘密と、その後の取材活動を通じて見えてきた「日本の未来像」を、著者ご本人の視点で語っていただきました。

参加者の皆さんのアンケートでは、
・なんで「子育て」が大変なことになっているのか、その裏にどのような社会の仕組みがあるのかよくわかりました。
・課題意識を持って自分の言葉で発言していくことの大切さを感じました。
・子育ては助け合いが必要で、各家族が多い現代でも助け合えるような社会にしたいと思いました。
・時間があっという間でした。取材に基づいた実感のこもったお話で身にしみた。
などの声が聞かれ、子育てを取り巻く環境課題への視座を得た方、自らがどう課題に取り組むかのヒントを得ていただく時間になったようです。

Session2 パネルディスカッション/子育てを取り巻くそれぞれのリアル

「家庭」「職場」「地域」「参加者からのお題」の4つのテーマで、パネラー陣それぞれの育児体験や家族経営の実態、子育て世帯を取り巻く環境への課題意識を盛り込みながらのパネルディスカッションを行いました。

参加者の皆さんのアンケートでは、
・出産に対して不安を感じていたので、産まれるまでに色々と考えて行動に移したいと思った。皆考えていることが一緒で安心しました。
・他の人の赤裸々な話をお聞きする機会はないので良かったです。
・夫婦でまだまだ工夫できることがあると思えた。
・データを交えたトークで分かりやすかった。
などの声が聞かれなどの声が聞かれ、普段なかなか聞くことのない「よその家庭や夫婦の話」を通じてご自身への気づきと、考えの醸成ができたようです。

✴︎パネラー:境 治氏(コピーライター/メディアコンサルタント)
       中岡 祐介 氏(株式会社三輪舎 代表取締役・編集者・Commons.jp発行人)
       中 陽子氏(コミュニケーションプランニング Bringo 代表)

✴︎ナビゲーター:Logista株式会社 長廣 遥、長廣 百合子

Session3 ワークショップ/みんなで考える 子育て期の働き方と暮らし方

「家庭」「職場」「地域」はどう変われば良いのか?参加者全員で「子育て期の働き方と暮らし方」における「課題」と「願望」を出し合い、理想の未来に向けた一歩を踏み出すためのワークショップを行いました。

 「課題」としては
・子育ては女性の仕事と思い込んでいる
・夫が朝早く出勤・夜遅く帰る 子どもと一日二人だと不安
・職場内で「子育てしたい」といいづらい雰囲気がある
・核家族が増えて周りに助けを求められる人が減っている

などの声が上がり、子育てを誰かが一人で担うことの「大変さ」だけでなく、小さな命を担っている責任の重さからくる「不安感」が垣間見えました。また、「女性活躍推進」が取り沙汰される裏側で、子育てに比重を置きつつ仕事をしたいと思っている女性はプレッシャーを感じているという意見や、男性が家事・育児を行うことへの職場理解が不足しているという現実、そのことで育休を申請できなかったという声も聞かれ、女性だけでなく男性も悩みを抱えている状況が浮き彫りになりました。

「願望」としては

・オフィスに子どもを連れて行ける
・頼ることをダメと思わないようになりたい

などの声が上がり、子育てを職場や地域社会全体で実感できる世の中にしていきたいという想いが多数聴かれました。その中でもやはり一番多かったの願望は、夫婦間での子育てへの取り組み方に関するものです。

・妻の負担を減らしたい、そのためにも育児家事に使える時間を増やしたい
・妊娠している妻がいる男性を転勤させないでほしい
・子どもが産まれたら夫にも強制で休みが出ると良い

妻だけでなく「夫婦で」子育てに取り組める環境をつくっていきたいという想い、夫婦がパートナーシップを発揮できるようにしたいという想いが、あちこちのテーブルから強く伝わってきました。そのほかにも、

・保育料を経費計上できたら良い
・自営でも育児保証(休業手当など)がほしい

という意見が出るなど、育児は「労働(国の未来を担う人材を育成する仕事)」という見解や、多様化する働き方を考慮した支援の必要性が話し合われるなど、普段の暮らしの中で打ち明けることがなかったそれぞれの課題や願望が噴出した時間になりました。

 

また、アンケートで寄せられたsession3の感想としては、

・普段考えているけどなかなか言えていないことに、色々反応が返ってくることが非常に有意義でした。
・子育てされてる方やたくさんの立場の人たちと意見交換できて良かったです。
・他のグループの紙が見たくなるほど関心を持つことができました。
・色々な境遇の方の意見が聞けて良かったです。問題を整理できました。
・時間が全然足りなかった。でも偶然居合わせて、ふられても語り続けることができる場の力が心強かったです。

などの声があり、子供の有無にかかわらず参加者それぞれが「当事者」として意見交換をされた様子が見て取れました。

参加して得られた気づき・学び / 全体を通してのご感想

・今後、夫婦のワークライフバランスを固定概念を捨てて考えたい。
・当事者が困りごとを口にしなければ周囲は課題そのものに気がつかない。「自分はこれに困っています!」と堂々と言おうと思った。
・まず一歩。二人のために夫と歩み寄ろうと思います。そして短時間で成果の出る仕事をします。
・「見て見ぬふり」の回数を減らさなくちゃと思った。新婚の頃参加していれば少しは貢献できたのかも。息子たちにその時がきたら活かします!
・夫婦でよく話すようにします。友人とも共有したい。言葉にすることで変えていけると思った。
・「子育てしづらい」と思いながら子育てするのではなく、「子育てしやすい」社会になるよう発信します!
・自分のできることを足元から始めること…それが大きな輪になって行政にも届く。その道筋が他人事ではなくイメージできた時間でした。「どうしましたか?」の声かけができる自分でもいたいと思います。
・託児所があって助かりました。ゆっくり話が聞けて良かったです。
・今日の時間で心が潤いました。まずは情報発信し自分から周りとつながっていきます。
・内容だけでなく、会場の雰囲気から皆で作る感じがとても素敵でした。ありがとうございました。
・すごく行き届いていて素晴らしいイベントでした。託児も学びもこんなに快適に使えたイベントは初めてでした。少し部屋が寒かったですが。。
・幸せな悩みですが時間が足りなかった。こんな会が毎日どこでもあることを目指していきたいです。
・会場が寒かったですが、それ以外はとても快適な場でした。ありがとうございました。

赤ちゃん・子どもたちがいる風景 〜「ふくおか子育てマイスター あゆみ」の皆様ありがとうございました!〜